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今日の話題  2010年2月2日
池上 惇

━━第35部━持続可能な創造型ストック━━━━━━
私の教育人生 5 限界集落にある価値とは
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


今日から書評とブログを、毎日書くぞ、と決心した。
私のブログは、人との出会いが中心である。
会話やヒアリングのなかで、きらりと光るものを発見できる。
その歓びは素晴らしい。

他方で、著作物に接した時の感動も捨て難い。
これは、一種の重量感がある。
「重く受け止める」とは、政治家がよく言う言葉だ。
しかし、そのような意味とは違う、著作者の蓄積というか、積み上げ
というべきか、立体感のある、そして、持ち運ぶわけには行かない
価値の重さ。それを感じるのである。

昨日は、富山で、地域づくりのフォーラムあり。
総てのご報告やご講演が「衰退するように見える地域にこそ‘価値ある
もの’がある」「その‘価値あるもの’を発見して、それを世に出し、
享受する人々を育てよう!」「各地に塾を作って地域固有の職人技を
継承し、ともに、楽しもう。」と、呼びかけておられた。
この‘価値あるもの’は、地域固有の伝統や習慣である。
また、人々の寄り合いのなかで、創意工夫された技術や技能であり、
農業や地場産業である。
ご報告では、福井の今立の紙職人や、ミュンヘンの子供のまちづくり、
八尾の祭を創る人々、富山の鉄道文化や鉄道研究家、さらには、広告事
業者、ネット塾長など、多様な職人技が登場した。
いずれも、深いご研究で、地域固有の‘価値あるもの’に着目されて
いる。

富山では、推進者が目立って、支える民衆の姿が見えにくい、との、
指摘もあった。
富山に向かう列車の中で、大野 晃『限界集落と地域再生』(河北新報
出版センター、2008年)を読んだ。
銀座の河北新報社で入手したもの。

書評でも紹介したが、この書の冒頭、グラビヤの最終ページに次の言
葉が掲げられている。

「日本列島‘限界集落’−明日が輝く」
「来年のこともわからぬ歳なれど夢をいだいて花種集める(まきこ)」

大野教授は、「限界集落」という概念を日本地域経済社会の研究の中で
確立された。
限界集落は貴重な価値を持つ。
そこには、豊かな自然環境と、近隣の人との温かな繋がりのもとで、
長年の職人技を蓄積された人々が居る。
住居の周囲には、美しい景観と豊かな自然がある。
水は美しく住み、大気は清浄だ。
さらに、限界集落には、その地に固有の自治の習慣、治山治水の智恵
や技術が暗黙の知として存在する。大野教授がとくに、注目されてい
るのは、水源と水系が創り出す‘人々のつながりや伝統’の持つ価値
である。
利便性や経済の効率化の推進によって、放置された地域の存在。
しかし、その価値が発見された今となっては、もはや、後進的な地域
ではない。時代を導く先進地域なのだ。
市民経済学は、この事実から、歴史を見直して行く。
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