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今日の話題  2010年1月14日
池上 惇

━━第34部━第三の道=市民経済学━━━━━━
私の教育人生 17 庭造りの固有価値
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


新年冒頭の話題を、庭師にお送りしましたところ、丁重な注釈をお返し
いただきました。
ご仲介をいただきました「まほうや」松本洋子代表取締役にも厚く御礼
を申し上げます。
いま、師のコメントいただいて、を訂正しております。
素晴らしい内容ですので、ご期待を。今日は、コメントのなかで、
気付かされたことをご報告します。

その中心の話題は「地域固有の植生」という私の表現に対して、師は、
「先人たちが営々と受け継いできた精神及び心、高度な技術」によって
「作庭し、その成長によって景観として芸術文化的表現を追求するの
も我々の仕事」と、表現されていた。
固有価値に関する師のご洞察に敬意を表した次第である。

確かに、自然や文化の固有価値というと、自然そのもののもつ、あるい
は、自然に内在する潜在力を連想し易い。しかし、自然そのものという
概念ではなくて、「先人の‘営み’を通じて、明らかにされた自然の
潜在能力」という表現のほうが、より正確に内容を把握されているの
ではないか。
自然そのもの、という概念は、ある意味では、非常に抽象化された、
人間には、認識できないかもしれない、神秘性の香りがある。
それに対して、先人とのかかわりを持った自然とは、非常に具体的で、
実学的な響きがある。

以前にもご紹介したが、師の次のご指摘も感銘を受けた。
「例えば、自然の真の姿を再生するには、石、樹木と流れ、苔や池等、
人が水と触れ合う空間なども配慮が必要です。これらと人間の接点や
‘ふれあい’を大事にして互いに相手のよさを認め合い、尊重しあう
姿勢が必要であり、それによって、よりよい生活景観が作られます。」
「放置されてきた自然では、先人たちが営々と育ててきた、景観の
ための赤松が消えて、シイの大木が日光をさえぎり、本来、のびて
もらいたい樹木は伸びることが出ない。潅木の茂みができて雑然と
していて、先人たちが作りあげてきた景観のよさがありません。1つの
原因として、燃料革命によって下草刈をしなくなり、山の景観を放置
したためです。
造園は、大木を間引きし、日当たりを良くし、赤松の発芽を促し、周囲
と唱和しながら、10年単位の長いスパンでゆっくりと育てるのです。
散策路は、土止めに、付近の太い竹をあてると大変良い。一種の地産
地消でしょうか。」
では、完成稿をお楽しみに。
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