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今日の話題  2010年1月7日
池上 惇

━━第34部━第三の道=市民経済学━━━━━━
私の教育人生 16 市民経済がアメニティを創る
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


前回の提起を考えるうちに、新年の研究会で貴重なご示唆をいただいた。
これから、まず、ご紹介したい。

新年、最初の研究会は、小林俊和君と二人で始まった。
場所は伊勢丹11階のアンティカフェ。ふたりとも、煮込みハンバーグ
のセット。
議論の中身は、この一年を占うのに、ぴったりの創造的なアイディア
を聞かせて頂いた。深く研究されていて素晴らしい。

小林「今日は、ホスピタリティの研究報告から始めます。」

池上「なるほど。以前、小林さんは、‘アメニティを研究していると、
人間の可能性や潜在能力の開発、あるいは人間発達にとって必要な
雰囲気を持つ環境(自然的社会的)に、人々が誘われる(いざなわ
れる)装置あるいは、道を創ること、それらを創るにはどうすれば
よいかを考えたい’と主張しておられましたね。この課題と関係が
ありますか」

小林「ええ、ホスピタリティの語源の一つはフランス語に関わって
いまして、英語表現では‘ホスピス’です。病と闘う人間の生命の
可能性への挑戦ですね。私は、医療、看護、介護の専門家が、生命
の可能性に挑戦できる環境を、クライアントに提供することが‘ホス
ピス’だと思うのです。
ホスピスへの志向を持つ人がクライアントと接する場がホスピタル
であり、人々と場がうみだすアメニティを関係者が共有することを
ホスピタリティと呼ぶのです。単に‘おもてなし’をするだけでは
なくて、生命の可能性に対する希望を共有することによって得られ
る共感あるいは共歓のひろがりだと言えるでしょう。」

池上「納得しました。アメニティとホスピタリティの本質に迫る
大発見ですね。」

小林「いや。これができたのは、これまで、イギリスの地域公共政策
の研究をしてきた成果です。とりわけ、日本ではほとんど研究されて
いない‘ドメイン’という概念を見出したことが大きかったと思い
ます。」

池上「アメニティが、ひとびとを‘場’に誘う魅力を意味するとしま
すと、ドメインというのは、‘魅力を創り出す場の背景にあるもの
(例えば景観や文化財)’とか、‘魅力的な雰囲気を生み出す人々の繋が
り、伝統や習慣(例えば温かな人情)’などの意味でしょうか。スロ
スビーが文化資本の定義で述べている、『目に見える文化資本』と
『目に見えない文化資本』の総称でしょうか。アメニティとホスピタ
リティは、ドメインが、目に見えるものと見えないものの関係性から
生み出される兄弟や姉妹のようなもののように感じられました。」

以下次回
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